昨日はスリールでかわいい医療用ウィッグをお作りしました。

80代の方です。

5月初めに息子さんとご一緒にご試着にご来店いただいておりました。


タキサン系の治療が始まるのでウィッグをお探しでした。

〔お年頃を考えると治療は減薬になるのでは?〕

と思い浮かび、お伺いするとやはりそのようでした。


減薬をすると脱毛も少しゆっくりになることが多いのと
体調が整はないと治療が始まらないので
ウィッグの使用開始が不安定でした。

一応サイズだけでも決めておくために
待ち針でサイズ取りだけしておき
現状の髪形のお写真を撮らせていただきました。


これだけしておくと、急に脱毛が始めっても
8割程度完成にしておけます。
(髪が普通以上に多い方はサイズ取りは脱毛が始まってからになります)


この時はお一人ではご来店が難しいほど
体調は良くない状況のようですので
本当に必要になった時点で、ある程度お作りしておくことをお約束しました。


それから3週間ぐらいが過ぎ
脱毛の始まったこと
ウィッグがご必要なことのメールをいただきました。

メールをいただいて、
ご来店日は3日後にお取りできました。

空き時間にウィッグの下準備をしました。

待ち針で印をお付けした通り手縫いでサイズを調整して
お写真を見ながらカットしていきました。


あれ、なんかかわいい髪形になってきた…

「ねえねえ、見て見て、かわいくない⁉」と
スタッフの山本さんにも自慢していました。



襟足は少し動きがあり、バックのバランスは長めのスタイルでした。


もう少し毛量が少ないはずですが
後は被った状態でカットさせていただくことにしました。



昨日はお嫁さんがお付き添いでした。

頭に私が手を入れてみると髪はゴソッと抜けて
脱毛は予想以上のように感じました。

取り合えずウィッグを被っていただくと


かわいい‼

(やっぱり、可愛いかった。)
と鏡を見ながら感激しました。

そして、お嫁さんも
「かわいい!」
と嬉しそうでした。

人生の大先輩にかわいいという言葉が
どうなのかと思ってしまうのですが

見るたびに、かわいいのでした。

もちろん、ご本人もとても笑顔でした。

この後、ウィッグを被るには邪魔になる部分だけカットをして
シャンプーをすると、髪はたくさん抜けました。

昨日お作りすることができて、本当によかった。

被り方の練習をしていただき
前髪のほんの一部だけ少し短くしました。

もう少し毛量を減らした方が
より元の髪形に近づきますが
お使いいただいて考えるとのご希望でした。

お帰りなるまで、私とお嫁さんとスタッフの山本さんで
なんど「かわいい」と言ってしまったことか

本当に楽しいウィッグ作りになりました。


おしゃれでお上品な大先輩に出会えて
嬉しい一日でした。